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中央水産試験場

地曳き網によるニシン稚魚の採集

地曳き網によるニシン稚魚の採集

厚田村沿岸には毎年2~3月にかけて、産卵のためにニシンが来遊します。これらのニシンが産卵した卵から孵化したニシンの仔魚や稚魚がどのような場所に、どの時期に現れるかを明らかにするために調査を行っています。資源管理部と共同で、船で仔魚ネットを曳いたり、浅瀬で人力により地曳き網(写真1)を使って仔魚や稚魚の採集調査を5月下旬から7月下旬まで実施しています。
1996年には1回の地曳き網で最高86尾(天然魚、放流魚合計)のニシン稚魚(全長40~72ミリメートル)が採集されました。1997年には、最高で395尾(全て放流魚)が、1998年には最高で1999尾(ほとんど天然魚)が1回の地曳き網で採集され、その全長は30~50ミリメートルでした。1999年は調査継続中ですが、最高で2777尾(ほとんど天然魚)が採集されており、大きさは昨年と同じでした。
これまでの調査から、ニシンは孵化直後に水塊の流動に伴い浅瀬の藻場から姿を消しますが、成長するに伴い再び沿岸で集魚灯採集等で採集されるようになります。稚魚になると河口周辺のごく浅い場所に出現し、さらに河川に入って行くと思われます。今後はさらに詳しい調査を行って、産卵場所から回遊にいたる生態を把握したいと思います。
    • 地曳き網採集の様子
      写真1 厚田村沿岸における地曳き網採集の様子
    • ニシン稚魚
      写真2 地曳き網で採集されたものと同じ大きさのニシン稚魚

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資源増殖部 資源増殖グループ

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