海藻おしばを作りましょう
海藻を厚紙に貼って乾燥させて作る海藻おしば、陸上植物のおしば以上に色や形がきれいです。 今回は専用の道具などを使わなくても家にあるもので簡単にできる海藻おしばの作り方を紹介します。
海藻の採集
1.採集

※子供だけでの平磯での海藻採集は非常に危険です。必ずおとなの人と一緒に行きましょう。
2.持ち帰り

簡単入手

※市販の海藻サラダには100%ワカメだけのものと、 色々な種類の海藻を材料にしているものがありますので、後者をえらんでください。 使用している海藻の種類はパッケージ裏面に書いてあります。 なお、ワカメ・コンブなどの大きな海藻はきざんであり形がありませんので、 緑藻・紅藻などの小さな海藻で形のこわれていないものを選びましょう。
海藻をあらう
3.バットに移しかえ

※バットのような平たい容器であれば、何でもかまいません。
4.きれいにする

そのあと別の真水をいれたバットに移しかえます(下左の写真)。
これでおしばにする海藻の準備ができました(下右の写真)。
海藻をえらぶ
5.おしばにする海藻をえらぶ

◎硬いゴツゴツした海藻は、布で水をぬぐって台紙に直接ひろげます。→工程9へ飛ぶ
◎薄くて赤っぽい海藻は、変色しやすいので先に→次の工程6へ
◎膜状で薄いものや、やわらかい海藻は→次の工程6へ
海藻おしばを作る
6.海藻をひろげる

7.台紙を入れる

※台紙はあらかじめ元の大きさ(B4程度)のほかに、その1/2、1/4に切ったものを用意します。
※台紙の種類はケント紙が一番いいのですが、市販画用紙でもかまいません。
8.かたちを整える

※ピンセットがなければ、妻よう枝、焼き鳥のくし、箸などを使いましょう。
水きり
9.水気をよくきる

※この際、台紙は水分をふくんでいますので、すべり落ちることはありません。 水滴が流れたり、落ちなくなれば水きり終了です。
※水きり台は、木製のすのこ(押し入れやガーデニング用)が一番いいのですが、なければまな板など何でもかまいません。 左の写真では大型のバットの裏面を使ってみました。
海藻おしばを吸取紙でサンドイッチ
10.吸取紙の上にならべる

※吸取紙は専用のものが市販されていますが、一般の店では売っていませんので、吸湿効果のある紙であれば何でもかまいません。 代用品としては写真のように新聞紙を4ツ折りにして使うのが一番手軽です。
11.サラシ布をかぶせる

※新品のサラシ布には最初のりが付いていて、そのまま使うと海藻がくっついてはがれなくなりますので、一度洗ってから使いましょう。 サラシ布がなければ使い古したワイシャツ地でもかまいません。 ただし、ガーゼはその繊維質が海藻表面に付いて、みばえが悪くなることがありますのでやめましょう。
12.海藻おしばをサンドイッチ状態にする

13.繰り返す

※この際、サラシ布の上に吸取紙をのせたその上にダンボール紙をのせ、さらに吸取紙をのせてから海藻をのせると、 通気性が良くなり、工程15の乾燥時間を短くできますので試してみましょう。
おもし
14.おもしを乗せる

※おもしは市販のビニールで被覆された軽めの漬物石も使えます。 あまり重たいと海藻によってはつぶれて形がこわれてしまいますので注意しましょう。
乾燥
15.風通しのよいところで乾燥させる

※この作業の時、海藻おしばにかぶせたサラシ布は取らないで、吸取紙だけを交換してください。
※新聞紙は吸湿量があまり大きくないため、まめに交換して海藻にカビなどが生えないように注意しましょう。
※この工程では特に工程13でダンボール紙を使っていると、扇風機で風を横からあてると、 短時間で乾燥できますので試してみましょう。
おしば完成
16.ていねいにはがす

※この際、海藻によってはサラシ布に強く付いているものがありますが、 海藻の下側からゆっくりていねいにはがせば大丈夫です。
※逆に台紙に付かない海藻は、のり付きの紙テープなどを細いバンド状に切ったもので台紙に固定しましょう。
海藻おしばのいろいろな使い方について
いろいろ飾る
そのままでも額縁などにかざるときれいです。 さらに、海藻おしばや台紙に着色してからかざってもきれいです。 また、台紙から海藻本体をはがして、陶器やガラス製品に貼りつけてもきれいでしょう。
〔植物等に使う専用の接着・コーティング用薬剤が手芸屋さんなどで売られています。〕
〔植物等に使う専用の接着・コーティング用薬剤が手芸屋さんなどで売られています。〕
おしばのしおりとはがきを作る
しおり:手ごろな小さめサイズの海藻おしばをえらび、台紙を縦ながに切って、 接着剤付の市販ビニールシートをはり、かわいいヒモをつけて本のしおりにします。
はがき:海藻おしばをつくる際、台紙の代わりに暑中見舞いのはがきなどを使い、 適当な場所に海藻をはりつけておしばを作り、仕上げに接着剤付の市販ビニールシートを海藻部分にはります。
〔本の表紙などのラミネート用接着剤付き透明フイルムが文房具屋さんなどで売られています。〕
はがき:海藻おしばをつくる際、台紙の代わりに暑中見舞いのはがきなどを使い、 適当な場所に海藻をはりつけておしばを作り、仕上げに接着剤付の市販ビニールシートを海藻部分にはります。
〔本の表紙などのラミネート用接着剤付き透明フイルムが文房具屋さんなどで売られています。〕
海藻標本として整理する
おしばにした海藻それぞれの名前を海藻図鑑などでしらべて、「種名、採集場所、採集日、採集者氏名」などを書いた標本ラベルを作ります。 そして、海藻おしばを1枚ずつB4またはA3サイズの標本台紙にはり、さらに標本ラベルを標本台紙の右下あたりにはって整理します。
〔海藻の名前などをしらべるのに便利なおすすめの海藻図鑑には、 ○日本海藻図鑑(保育社発行、税込5300円)、 ○学研生物図鑑 海藻(学習研究社発行、税別3980円)などがあります。〕
※ほかにもユニークな用途を色々考えましょう
〔海藻の名前などをしらべるのに便利なおすすめの海藻図鑑には、 ○日本海藻図鑑(保育社発行、税込5300円)、 ○学研生物図鑑 海藻(学習研究社発行、税別3980円)などがあります。〕
※ほかにもユニークな用途を色々考えましょう
海藻が乾燥したようす
海藻は乾燥しておしばになると下のように変わります。
アナアオサ(緑藻)
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乾燥前
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海藻おしば
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アナメ(褐藻)
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乾燥前
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海藻おしば
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ヒバマタ(褐藻)
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乾燥前
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海藻おしば
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ネブトモク(褐藻)
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乾燥前
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海藻おしば
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クロハギンナンソウ(紅藻)
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乾燥前
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海藻おしば
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クシベニヒバ(紅藻)
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乾燥前
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海藻おしば
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お問い合わせ先
調査研究部 管理増殖グループ
- 住所:〒085-0024 北海道釧路市浜町2番6号
- 電話番号: 0154-23-6222(直通)
- ファックス番号:0154-23-6225