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北海道林業試験場研究報告-第63号-

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第63号 (令和8年3月発行)

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産地標高の異なる接ぎ木トドマツの若齢委時の着花実態と外部刺激の効果検証(PDF:7.2MB)
石塚 航
P1~11
トドマツは苗木需要が大きく安定的な種子生産が必要なため,着花促進を図る外部刺激の実用化が期待される。本種は自生産地の標高勾配に沿って繁殖特性の変異が知られることから,本研究では,変異が期待される3由来産地(低標高,高標高,低標高と高標高の交雑個体)の若齢の接ぎ木個体を材料に,着花応答における変異をのべ8年の着花観察より,また,外部刺激としてガードリング処理を実施し,その効果を翌年の着花観察より検証した。雌花着花は接ぎ木翌年から認められたが,全期間を通じて着花率は低く(2022年~2025年期間着花率,平均22%),由来産地間差はなかった。一方,雄花はいずれの年も着花率が高く(同,平均79%),高標高由来ほど着花率が高い変異があった。統計モデルにより評価したところ,ガードリング処理は雌花の着花には効果がなかったが,雄花の着花量を向上させる傾向があった。もともと雌花着花が稀だったことに起因した可能性はあるが,本試験で行ったガードリング処理は,若齢段階での種子生産に向けた適用は困難とみられた。効果的な処理時期や齢についてさらなる検討が必要である。