法人本部

第9回 住まいの防災対策

あなたは生き残れるか?~阪神・淡路大震災に学ぶ住まいの防災対策のススメ~

2011年1月17日(月)
建築研究本部(北方建築総合研究所内) 南 慎一(みなみ しんいち)

こんなお話をしました

 平成7年1月17日に発生した兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)は、わが国ではじめて震度7の揺れを記録し、多くの家屋や建物が倒壊して、死者行方不明者6,437名となる大災害となりました。この大震災から得られた教訓をもとに、住まいの防災対策についてお話しました。

 教訓の一つは、死者の88%が建物の倒壊によるものであるということです。教訓の二つめは、昭和56年以前の建物に大きな被害が生じているということです。教訓の三つ目は、建物の倒壊によって閉じ込められた人を救助したのは、家族や近所の人の力が大きかったということです。

 これらのことから、災害から身を守るポイントとして
第一に、建物で身を守る
第二に、室内で身を守る
第三に、自分の身を守る
第四に、地域の力で身を守る  ということについて話しを進めます。

 まず、建物で身を守るとは、耐震性能を確保することです。今住んでいる家の耐震性能を知るには、「誰でもできる耐震診断」(建築防災協会)という方法をご紹介しました。耐震診断や耐震改修については、道の総合振興局または市町村の建築の窓口にお問い合せください。

 次に室内で身を守る方法です。建物に被害が無くても、タンスが倒れたり、食器が割れて怪我をしたりすることがあります。対策としては、家具の数を減らすことと、安全な配置にすることです。家具の配置の基本は、寝ているところに倒れないこと、ドアの開閉を妨げないことです。それが出来ない場合、家具の固定対策を講じてください。具体的な対策方法は、消防本部のホームページなどに紹介されています。

 次に、身を守る方法です。阪神・淡路大震災の避難者があげた非常持ち出し品一日分のリストがあります。これらは、百円ショップや生活用品店などでも手に入るものがありますので、実際に品物を手に取って非常時に必要なものを考えるきっかけになります。

 最後に地域で身を守る方法です。地域社会の協力による「共助」を進めるには、町なかウオッチングや災害図上訓練(DIG)など住民参加型の防災学習が行われています。当研究所で実施している地震防災体験学習がありますので、皆さんの町内会でこのような防災学習を実施したいという方がいらっしゃいましたら北総研までご相談ください。

質問にお答えします

質問

回答

会場からの質問

家具の固定効果についての詳細資料は、どこで入手できますか

消防本部のHPで紹介されています。
(セミナーでも説明させていただきました)

自宅の耐震化を行う場合、補償や優遇措置などがありますか

耐震改修の補助制度は、市町村の建築窓口で案内されています。道総合振興局の建設指導課でも情報を得ることが出来ます。(セミナーの配付資料で耐震診断の実施機関の情報があり、その窓口で回収工事費用の情報が得られます。)

窓ガラスの割れなどを防ぐ方法はありますか

  ガラスの飛散防止の透明フィルムが市販されています。

家の中で柱の側に逃げた方がよいと聞きましたが、本当ですか

身を守ることが基本ですので、ガラスの側から離れる、テーブルの下に入るなどが良いと思います。
木造住宅の1階が崩壊する場合は、柱と梁の接合部が抜けて、梁が落下する危険がありますので、一般的な方法とは言えないと思います。

応急危険度判定士とは、どんなことをする人ですか

地震により被災した建築物について、倒壊の危険性並びに落下物の危険性を判定し、使用にあたっての危険性を情報提供することが任務です。
平成7年阪神・淡路大震災後に全国制度が整備され、知事が認定した応急危険度判定士が判定を行います

さらに詳しく知りたい方は・・・

  動画道総研公式チャンネル

  当日の資料住まいの防災対策のススメ1.pdf住まいの防災対策のススメ2.pdf住まいの防災対策のススメ3.pdf

  案内チラシ

  

 ご協力いただきました

ドトールコーヒーショップ北海道庁店