環境エネルギー部 岡 喜秋
■支援の背景最近の市販されているボイラーの熱効率は高く、FF方式では90%以上になります。しかし、旧式タイプは80%以下のものも少なくありません。このタイプのボイラーの排ガスからの熱損失として、消費した燃料の熱量のうち2割ほどが大気中へ廃棄されています。この廃棄されている損失熱から、熱回収するための熱交換器を開発したい、との相談が市内の企業よりありました。このアイデアは古くからあり、札幌市内のホテルの温水ボイラーに設置された例があります。給湯用ボイラーの給水予熱器として熱交換器を利用するシステムを検討しました。
■支援の要点
1.熱交換器の設計
2.ボイラの燃焼への影響調査
3.熱交換器の腐食対策


■支援の成果
1.ボイラーの燃焼への影響を少なくするため、フィン、バッフルプレートを使用しない熱交換器構造とし、かつ 、小型化を図るため熱交換面積は1.5m2としました。
2.燃焼への影響を調べるため、排ガス成分を測定した結果、NOx:80ppm、CO:5ppm、CO2:9%、O2:8%と良好な燃焼で問題ありません。熱交換熱量は2,000kcal/hでボイラー効率を約7%改善できました。
3.灯油などの燃料は硫黄を含んでおり、燃焼すると排ガス中に硫黄酸化物を排出します。それが金属を腐食する原因となります。そこで、排ガス温度を露点温度以上に保つこととしました。
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