材料技術部 片山 直樹・齋藤 隆之
■支援の背景溶融亜鉛めっき皮膜への塗装前処理として、汚れ、油脂、白さびなどの除去を目的に研削による 物理的処理が行われています。この研削作業にはワイヤーブラシ、サンドペーパーおよび電動工具などが 用いられていますが、最近は細かな研削材を吹付けるスイープブラストが行われてきています。
溶融亜鉛めっきを取り扱う道内企業A社では、ブラスト処理によるめっき皮膜の損傷が問題となっており、 ブラスト条件による溶融亜鉛めっき皮膜へエロージョン特性の把握について技術支援を依頼されました。
■支援の要点
1.ブラスト試験方法および条件設定について
2.めっき皮膜の解析について

ブラスト試験機 ラスト条件とめっき皮膜のエロージョン ブラスト後のめっき断面
1.ブラストエロージョン試験機を用い、ブラスト条件として圧力および角度を変動因子とした評価試験方法を設定しました。
2.ブラスト条件(圧力および角度)による溶融亜鉛めっき皮膜のエロージョン性の関係を把握しました。
3.めっき皮膜の断面観察から、ブラスト条件によって界面および皮膜内部に欠陥が発生することが確認されました。