材料技術部 田中 大之
ものづくり支援センター 相山 英明
■支援の背景ものづくり支援センター 相山 英明
原子力発電機器のステンレス製一次系配管等において、応力腐食割れが検出される場合があり技術的課題となっています。 この応力腐食割れは、溶接による熱影響部近傍の母材に発生しますが、従来の超音波探傷法では母材による超音波減衰や 割れ等欠陥形状の影響を受けて、正確な割れ検出は難しいとされてきました。近年は、専用探触子の開発や新たな検査方法と データ処理技術の開発が行われています。
本技術支援では、超音波シミュレーションソフトウェアを用いて溶接部での超音波伝搬のシミュレーション技術を検討しました。
■支援の要点
1.仮想のきずを含む試験体のモデル化
2.溶接部分のA、B両スコープ表示の検討
3.解析に要する時間やデータ容量の検討

溶接部のBスコープ(断面解析)例 溶接部のAスコープ(波形解析)例
1.超音波シミュレーションソフトウェアComWaveを用いて、溶接部の超音波シミュレーションを行い、仮想きずを対象としたAスコープとBスコープを再現できることを明らかにしました。
2.解析に使用するハードウェア環境によって、解析精度や時間に大きな制約が生じるため、実用上はモデルの簡略化が非常に重要であることを明らかにしました。
3.今後、実際の超音波探傷技術と比較・検討を進めていく予定です。
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