環境エネルギー部 上出 光志・山越 幸康
■支援の背景農業残渣には茎葉・殻・根などのバイオマス、ポリエチレンなどの廃プラスチックがあり、 耕作地へすき込みできない残渣については一般・産業廃棄物として処分されています。原油価格の不安定さから、 道内ではこれら残渣を工場や公共施設などの燃料として利活用し、エネルギーの地産地消を目指す自治体が増えています。 しかしながら、農業残渣はエネルギー密度が低い、高灰分で低発熱量、燃焼時にクリンカーを生じ安定した燃焼ができないなどの理由から、 これまで燃料としての価値が低く見られてきました。本技術支援では、農業残渣のプラスチック燃料や木質ペレットとの混焼、 新たな燃焼機(250,000kcal/hボイラー付属)の開発を通して前述の各種課題を解決するため、農業残渣の燃料化、 ならびに実証試験を行いました。
■支援の要点
1.農作物残渣のペレット化
訓子府町:タマネギ鬼皮、豆殻、農業ハウス資材(ポリエチレン)【工場、公共施設での利用】
芽室町 :小豆殻、長芋栽培用ネット【公共施設での利用】
2.農作物残渣と廃プラとの混合成型
3.新たな燃焼機の開発

小豆殻・長芋ネット燃料 タマネギ鬼皮・ポリエチレン燃料 燃焼状態
1.農作物残渣と廃プラの最適混合率を決定しました。
2.工業用燃料、公共温泉の燃料として利用できることを確認しました。
3.クリンカー障害を克服できる燃焼機を開発しました。
窒素酸化物濃度250ppm以下、CO/CO2=0.02以下、熱効率80%以上、
温水出力150,000~250,000kcal/h(可変可能)を達成しました。
訓子府町、芽室町、(財)十勝振興機構
㈱NERC 札幌市中央区北4条西16丁目 Tel.011-644-7330
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