ものづくり支援センター 三田村 智行
情報システム部 大村 功
情報システム部 大村 功
■研究の背景
画像照合技術は、参照画像と対象画像の一致判定を行う技術であり、認識、検査、物体追跡などに幅広く活用されています。 しかし、計算量が多く、明るさの変動などの影響を受けやすいため、スペースや消費電力などの制約が多く、 明るさの変動も大きい屋外などの実環境での実用化例は多くはありませんでした。そこで、北海道大学が開発した明るさの変動や画像の 一部に遮蔽があっても安定して照合できる方向符合照合法をハードウェア処理によって高速に行うアルゴリズムを開発し、 FPGAを搭載したボードに実装して、移動体の速度や移動量の計測、視界状態の評価を行うセンサへの応用について検討しました。
■研究の要点
1. ハードウェア処理に適した方向符合照合法のアルゴリズムの検討
2. 方向符合照合をハードウェアで行う回路モジュールの設計
3. FPGAを搭載した小型ボードの開発
4. ハードウェア処理による画像照合を用いた速度・移動量計測と視界状態評価


試作したボード
1.ハードウェア処理における方向符合照合のアルゴリズムを開発し、これを用いてFPGAに
実装できる回路モジュールを設計しました。
2.FPGAを搭載したボードに方向符合照合を行う回路モジュールを実装し、速度や移動量を
計測するセンサへ応用しました。
3.農業車両の速度計測への応用では、スリップの影響を受けずに精度良く速度を計測でき
ることを確認しました。
4.画像照合を利用して降雪時の視界状態を評価する手法を検討し、ハードウェア処理により
リアルタイムに視界状態を把握できることを確認しました。