環境エネルギー部 佐々木雄真・三津橋浩行・浅野 孝幸・鎌田 樹志
■研究の背景
閉鎖性水域の富栄養化や地下水の硝酸性窒素汚染など、窒素化合物に由来する水質汚濁問題が顕在化 しており、低コストで高効率な窒素除去技術の確立が急務となっています。
硫黄酸化脱窒細菌を用いた脱窒処理は、有機物を必要としないため、従来手法である脱窒細菌による 処理に比べて、低コストで維持管理が容易な手法として注目されています。しかし、反応速度等の面で 課題も残されていることから、ここでは硫黄酸化脱窒細菌による脱窒の高効率化について検討しました。
■研究の要点
1.硫黄酸化脱窒細菌による脱窒処理特性の把握
2.処理槽に充填するペレットの大きさや通水条件等の検討
3.実排水を用いた脱窒処理の検討

高流速循環通水 脱窒処理プラント
1.大きさの異なるペレットの比較では、小さいペレットを用いた方が脱窒性能が高い傾向にあり、とくに負荷が
高い場合に効果が大きいことがわかりました。
2.高流速で循環通水を行う処理方法には、低流速で通水する通常の方法に比べ、反応速度を高める効果が
あることを見いだしました。
3.実排水として埋立地の浸出水を用い、小型実験プラントによる脱窒試験を実施した結果、人工排水と同様に
処理が可能であることを確認しました。
㈱アール・アンド・イー