材料技術部 斎藤 隆之・片山 直樹・飯野 潔・田中 大之・吉田 昌充・赤沼 正信
■研究の背景
微細なパターンを基材に形成する方法として、マスター(原盤)・モールド(型)を印鑑のように基材に押しつけ、 熱でパターンを転写する熱式ナノインプリント法があります。Si(シリコン)、石英、金属などの表面に微細加工された マスター・モールドは、非常に高価なうえ数100回程度で寿命となります。そこで、基材より融点の高い樹脂に一度パターン転写し、 これを汎用の樹脂モールドとして用いるローコストプロセスについて検討しました。
■研究の要点
1.樹脂モールドとするCOC(シクロオレフィンコポリマー)への、Siマスターモールドによる熱式ナノインプリント
条件(温度、圧力、時間)の最適化
2.COCの樹脂モールドに対する離型処理方法と低融点樹脂(PMMA)へのナノインプリント条件の最適化

ナノインプリント製品例:細胞培養シートと電子顕微鏡拡大写真(SCIVAX㈱提供)

Siモールド(左)と作製したCOC樹脂モールド(右) COCモールドの5μm 幅線のプロファイル
1.COC樹脂モールドを作製するための熱式ナノインプリント条件を確立しました。
2.樹脂モールド表面の離型処理方法として、新たにプラズマ表面改質法の有効性を見いだしました。
3.COC樹脂モールドによるPMMA樹脂への熱式ナノインプリント条件を確立しました。
北海道大学、兵庫県立大学、京セミ㈱、クローバー電子工業㈱、㈱生野製作所