情報システム部 吉川 毅
■研究の背景
エレクトロスピニング法(以下、ES法)は、高分子溶液などに高電圧を印加することでサブミクロンから ナノオーダーの微細ファイバーを作製する紡糸技術です。また、ナノファイバーチューブは再生医療材料や 小型機器用フィルタなどに有用な材料として期待されています。
本研究では、将来の量産化に向けて、ES法により作製されるナノファイバーを捕集し、内径φ2~4mm程度 の小径ナノファイバーチューブを自動成形すると共に、成形状態を維持して成形軸から離脱可能な機構の開発を行いました。
■研究の要点
1.チューブ成形軸からのナノファイバーチューブ離脱方法の検討
2.離脱を考慮したチューブ成形機構の設計
3.ナノファイバーチューブの多様化検討

ES法概要とナノファイバーSEM画像 チューブ作製試験の様子と成形チューブ
1.チューブ成形軸を割型と類似構造とすることで、小径チューブの形状を維持した離脱方法を考案しました。
2.この離脱方法を用いて、内径φ2およびφ4mmのナノファイバーチューブを複数、自動成形する機構を試作
しました。
3.PVA(ポリビニルアルコール)とキトサン溶液について、チューブ作製試験および成形軸離脱作業を行った
結果、両者共に、形状を維持したナノファイバーチューブが得られました。