情報システム部 多田 達実・鈴木 慎一
■研究の背景道産サケは、養殖サケが大量輸入されるなか、国内需要は伸びず、本道サケ漁業の安定的発展には漁獲物の 品質向上などによる国内需要の確保・拡大方策を講じる必要があります。その方策の一つとして脱血による 鮮度維持が始められています。サケは大型魚であり船上での手作業による処理は危険を伴うことから、効率的か つ安全に処理するための装置開発が望まれています。本研究では、道産サケの鮮度維持のために船上の限られた スペースで安全かつ効率的に脱血作業を行う装置開発に取り組み、魚体サイズの違いに対応し、装置内での魚の 暴れを防止して的確な脱血処理を行う単純な構造のサケ脱血装置を開発しました。
■研究の要点
1.漁獲直後のサケの誘導・整列方法
2.サケの把持・固定方法
3.脱血のための切削機構と刃物形状

船上切削試験の様子 脱血処理後のサケ
(上:オス、下:メス)
1.通電することにより活サケを沈静化する電気麻痺技術を確立することができました。
2.サケを一尾づつ装置に挿入し固定する無動力な機構を開発することができました。
3.魚体サイズの違いに対応できる切削機構を開発することができました。
4.前述の技術を組み合わせて網上げ直後のサケの暴れを防止して的確な脱血処理を行う装置を開発することが
できました。
5.最終試作装置を漁船に持ち込んで試験を行い、効率的な脱血作業ができることを確認しました。
(地独)北海道立総合研究機構 釧路水産試験場