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工業試験場

研究開発成果6/情報通信・エレクトロニクス・メカトロニクス関連技術

研究開発成果6/情報通信・エレクトロニクス・メカトロニクス関連技術

針葉樹合板節脱落防止処理のための画像識別システムの開発
Development of Image Processing System for Equipment Prevention of loosened Knots from Softwood Veneer

情報システム部 髙橋 裕之・本間 稔規・飯島 俊匡
■研究の背景
 構造用合板の原材料は、輸出規制の強化や、輸入丸太価格の高騰により、道内においてはかつて主流であった 南洋材や北洋材からカラマツ、トドマツへと樹種転換を図っています。一方、内装用合板、台板用合板、型枠用合板は 針葉樹への樹種転換は進んでいません。これは、カラマツ、トドマツを用いてこれらの合板を製造する場合、乾燥工程で 節が抜け落ちることが多く、主に美観や表面平滑性の点から好ましくないとされるためであり、人手によって抜け落ちた 節の照合を行い再び取り付けるか、テープ等による乾燥前の節の仮止め等が必要となります。これには多くの時間を費やすと 共に作業効率が悪く、量産化の支障とコストアップの要因になっています。そこで、林産試験場と共同で節脱落を防止する 自動処理装置の開発にあたり、節を識別して位置と大きさを計測するための画像識別システムを開発しました。

■研究の要点
1.画像処理技術による節検出・識別処理の確立および画像識別システムの構築
2.多関節型ロボットによる節脱落防止処理装置に適した計測処理および通信処理機能の開発
3.実大サイズの単板を用いた実証試験


画像処理ボード       処理画面               処理システム(左上:脱落防止処理試験風景)
   (上:原画像、下:処理結果画像)                                              

■研究の成果
1.節位置および大きさを計測するため、画像処理ボードを用いた識別システムを開発しました。
2.節脱落防止処理装置の動作経路に最適なデータソートおよびデータ通信機能を実現しました。
3.搬送機で単板を搬送しながら、節検出と脱落防止処理が実現できることを確認しました。
4.今後は、合板製造ラインでの活用を目指したシステム開発を行い、実用化を進めます。

(地独)北海道立総合研究機構 林産試験場
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