環境エネルギー部 髙橋 徹・富田 恵一・若杉 郷臣
■研究の背景CCA(クロム・銅・ひ素化合物系防腐剤)処理木材は住宅の土台として広く用いられてきましたが、 環境基準が厳しくなり1997年以降の使用量は激減しました。しかし、老朽住宅の解体により、 北海道においても今後20年程度は毎年1万m3のCCA処理木材が発生すると予想されています。
一方、建築物の解体現場や建築廃材の中間処理におけるCCA処理木材の判別法は、 目視及び品質表示の確認のみであり、誤判別による環境汚染が懸念されています。 本研究では、前処理無しで迅速に高感度で分析できるレーザー誘起ブレークダウン分光法(LIBS法)を用いた、 CCA処理木材の高精度で正確性の高い判別方法の検討を行いました。
■研究の要点
1.クロム、銅、ひ素の最適測定条件の決定
2.土壌等による表面汚れの影響
3.実試料によるLIBSを用いた判別法の正確性評価

実際のCCA処理木材による判別結果 LIBS装置の概観
1.クロム及び銅の最適測定条件を決定し、数ppmの含有量まで定量できました。
2.土壌で汚染されたCCA処理木材試料も正確に定量できることを確認しました。
3.解体現場で採取したCCA処理木材を測定した結果、正確に判別ができました。
4.小型分光器及び光ファイバ等による小型化・可搬型の可能性を確認しました。