製品技術部 中島 康博・前田 大輔・吉成 哲
ものづくり支援センター 桑野 晃希
■研究の背景ものづくり支援センター 桑野 晃希
『移乗』(患者をベッドから車いすに移す作業)は、介護において最も頻繁で負担の大きい作業です。 介護ではよく腰を痛めますが、そのほとんどは移乗が原因といわれています。本研究チームではこれまで、 移乗の負担を軽減するため、小型軽量で低コストな移乗補助装置『トランスファ・スツール』の研究を行ってきました。 これは、ベッドと車いすの間にイス型の渡し板を差し込み、その間をすべりながら移動するものです。 今年度は、これまで開発したものについて運用上の問題点を検討し、運搬が楽で迅速な設置が行える機構形状の検討を行いました。
■研究の要点
1.モニタ調査による試作機の改良
2.移乗中の不安感の少ないスツールの設計
3.運搬設置しやすい機構形状の開発
2.3次元CADとNCによる迅速な形状開発

開発したトランスファ・スツール NCによるマスタ型作成 介護ヘルパーによるモニタ試験
1.モニタ調査により、移乗中のユーザの不安感、設置のし易さ等の検討を行いました。
2.スツールの前方を盛り上げた3次元形状とすることで、移動方向のガイドとしつつ座面からの滑り落ち感を低減するデザインを実現しました。
3.独自の折り畳み機構と軽荷重ガススプリングを開発し、運搬設置に優れた仕様となりました。
4.3次元CADとNCマシニングセンタを用いて、スツールのマスタ型を迅速に開発することが出来ました。
※本研究は、社会福祉振興助成事業(独立行政法人福祉医療機構)の助成金により実施されました。
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