農業研究本部へ

道南農業試験場

発刊のことば


 日本農業が水田利用再編対策によって,本格的な米の生産調整に踏み切り,一方,化石エネルギー節約のために,寒冷地帯での施設園芸栽培が問題とされる年に,道南農業試験場は創立70周年を迎えた。
 道内水田発祥の地にあって,北海道唯一の銘柄米「巴まさり」を育成し,現在はまた、寒地の施設園芸試験を標榜している当場にとって,今後の客観情勢は一段と厳しさを増すことが予想きれる。
 このような時に,場員がそれぞれ場史執筆編集のために,道南農業の歴史と試作場を含む諸先輩の汗の業績を、つぶさにひもといてみたことは極めて有意義なことであった。

 この70年史の発刊に当っては、元場員の方々による数多くの回想執筆をはじめ,道機関内外の多方面にわたる方々の善意と御協力をいただいた。また,場内的には前任場長小林喜久夫氏(現特別研究員)をはじめ全場員の一致協力によって,比較的短期間の内に完成した。これら大勢の方々の道南農試に寄せられた愛情に対し、衷心から感謝を申し上げる。

 願わくは,この小史が出来るだけ多くの人々の目に触れて,今後の道南農業発展の礎とならんことを。

北海道立道南農業試験場長
馬場徹代


70年史目次へ