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道南農業試験場

 

共同育成品種「きたくりん」(旧系統名:空育172号)

 「きたくりん」(空育172号、登録番号:第27480号)は、道南農業試験場で交配を行い、同じ道総研の中央農業試験場と共同育成した品種です。平成24年に北海道の優良品種になり、道南地域でも普及が進んでいます。本品種は、良食味であり、①水稲の最重要病害である”いもち病”に抵抗性を持つ、②割籾が少ないため、斑点米の主な発生要因である、アカヒゲホソミドリカスミカメによる吸汁害の軽減が期待できる、①②から、化学合成農薬の使用回数を減らすことが可能です。

 

〇品種の特徴
・長所-いもち病抵抗性が強い、割籾が少ない、食味が「ななつぼし」並からやや優る
・短所-白未熟粒の発生がやや多く、玄米等級がやや劣る、出穂・成熟期がやや遅い(渡島、檜山地域では森町、八雲町を除く全域で移植栽培可能です)

 

〇交配組合せ
♀F1(♀ふ系187号  ×  ♂空育162号)× ♂ 渡島240号(ふっくりんこ)
 「ふ系187号」は、青森県農業試験場藤坂支場(現青森県産業技術センター農林総合研究所藤坂稲作部)育成の良食味耐病系統を母とし、道総研の中央農業試験場育成の「空育162号」を父として育成したF1を母として、渡島240号(後の「ふっくりんこ」)を父として育成された雑種集団の中から、育成されました。優れた食味と耐病・耐虫を兼ね備えた品種です。

 

〇命名の由来
 北を意味する「きた」に、親の「ふっくりんこ」および薬剤防除が少なく、クリーンを意味する「くりん」を合わせて、「きたくりん」と命名しております。
 


〇「きたくりん」の詳細な特性に関しましては、以下の情報をご覧ください。
 成績学術情報 

 

〇「きたくりん」のいもち病要防除水準
 圃場抵抗性に優れる水稲「空育 172 号」のいもち病防除対策(平成23年度指導参考事項)
 概要:穂いもち圃場抵抗性『やや強~強』の「空育 172 号(きたくりん)」は、いもち病に対する本田薬剤防除が不要である。

 

〇「きたくりん」の斑点米カメムシ追加防除の要防除水準
 水稲の割籾歩合ランク‘少’~‘やや少’品種に対する斑点米カメムシの要防除水準(平成25年度指導参考事項
 概要:割籾歩合が少ランクの「きたくりん」は、基幹防除後の20 回振りすくい取り頭数で、「3 頭」が追加防除の要防除水準である。

 

〇関連リンク
 道総研農試の育成品種一覧(水稲)

 

〇外部リンク
 北海道の水田農業 (北海道農政部生産振興局農産振興課) 
 「きたくりん」等の品種別の作付面積などは、こちらからご確認ください。

 


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