水産研究本部

試験研究は今 No.638「ニシンプロジェクト第Ⅱ期の調査研究成果の公表・普及」(2009年4月14日) 

はじめに

  北海道では日本海ニシンの復活を目指し、平成8年にニシンプロジェクトをスタートさせました。水産試験場はプロジェクトメンバーの一員として、様々な調査研究に取り組んできました。ここでは、第Ⅱ期(平成14~19年度)6カ年で得られた調査研究成果の公表と普及の状況をお知らせします。第Ⅱ期では、第Ⅰ期の調査研究結果を踏まえて、石狩湾系ニシンの資源増大を目標に、「種苗生産・種苗放流」、「産卵藻場造成」、「資源管理」の3つのプログラムに取り組みました。
    • 表

日本海ニシン増大推進プロジェクト報告書

  ニシンプロジェクトでは3年ごとに調査研究成果等を取りまとめた報告書を発行し、関係機関に配付しました。最新のH17~19年度の報告書は平成21年3月に発行され、後期3カ年(H17~19年度)に実施した各課題の詳細な報告のほか、第Ⅱ期6カ年の成果の概要等が掲載されています。また、石狩湾以北を対象としたニシンプロジェクトの最終報告書でもあるため、巻末に資料編として、漁獲統計データ、種苗放流データ、産卵床データ等を収録しました。

各報告書の目次は当ホームページ、マリンネット北海道の以下のリンク先に公開中です。

ニシン種苗生産マニュアル

  ニシンプロジェクトでは、日本栽培漁業協会から導入した沿岸性ニシンの種苗生産技術に改良を加え、石狩湾系ニシンを対象とした種苗生産技術の開発を進めてきました。親魚の選別や卵、仔稚魚の管理技術等の改良を行った結果、目標としていた200万尾の種苗を安定的に生産できる段階に達しました。これまでの技術開発の成果は「ニシン種苗生産マニュアル(H18.3)」に取りまとめ,関係機関に配付しました。

日本海ニシン産卵床マップ

  藻場はニシンの産卵床として重要な役割を果たしています。このため、ニシンプロジェクトでは実際に産卵を確認した場所の位置や水深、産卵基質となった海藻(草)など、産卵状況のデータを収集してきました。これらのデータは、今後のニシン産卵場の保護に役立てるために、「日本海ニシン産卵床マップ」として取りまとめ、関係機関にお知らせしました。また、より多くの方に知っていただくため、当ホームページ、マリンネット北海道の以下のリンク先に公開中です。

論文等

  第Ⅱ期(H14~19年度)の期間中に、論文等として発表された調査研究成果のリストについては、「平成17~19年度 日本海ニシン増大推進プロジェクト報告書」の資料編に掲載されています。なお、この資料編には、H8~19年度に発表された全ての論文等154編のリストが掲載されています。

北水試ニシンプロジェクト 前主査 
中央水産試験場 企画情報室 西内修一

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