水産研究本部

試験研究は今 No.630「超巨大ハナサキガニ水揚げされる!」(2008年12月11) 

超巨大ハナサキガニ水揚げされる!

  テレビや新聞の報道でも紹介されたことから,ご存知の方も多いと思いますが,2008年9月10日,根室市の歯舞漁港に,オスの巨大なハナサキガニが水揚げされました。この大物を水揚げしたのは,歯舞漁協所属の第88勝栄丸の船主,成田勝則さんで,納沙布岬沖にてハナサキガニかごで漁獲したとのことでした。

  水揚げされたハナサキガニは,根室市水産研究所で飼育されていたため,現地に赴きこのカニの体重や甲長(眼の付近の甲羅のくぼみから後端まで)、甲幅(甲羅の最大幅)、掌節幅の測定を行いました(写真1)。

  その結果,甲長は168ミリメートル(写真2),甲幅は195ミリメートル(写真3),掌節幅は111ミリメートルでした。体重は,テレビ等では5.2キログラムと報道されていましたが,自切したため冷凍されていた右鉗脚を解凍後一緒に測定した結果4.85キログラム(写真4)でした。これまで我々が得ているハナサキガニの最大記録は甲長159ミリメートル,甲幅 182ミリメートル,体重 3820グラムですので,今回のハナサキガニはこれまでの記録を更新しました。店頭で一般に販売されているサイズと比較すると,あらためて,このハナサキガニの大きさがわかると思います(写真5)。

  このハナサキガニは甲長,甲幅と年齢の関係から(阿部・小池,1982), 13年以上も生きていたものと思われますが,残念なことに,測定した翌日に死んでしまいました。しかし,剥製にされ保存される事になりましたので,今後,根室を訪れた多くの方達を驚かせることになると思います。(釧路水産試験場 安永 倫明,根室市水産研究所  工藤 良二)
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