農業研究本部

トマト一段密植栽培における葉数の違いが収量に及ぼす影響

大久保 進一,東出 忠桐,金子 壮,安場 健一郎,大森 弘美,中野 明正

道総研農試集報.103,7-12 (2019)

トマト一段密植栽培において,葉数の違いが収量に及ぼす影響を収量構成要素に分解し解析した。第1果房の上2葉を残して摘心した処理を対照として,第2果房を摘房し第1果房の上5葉で摘心して果房上の葉数を増やした処理,第1果房の上と下2葉ずつを残して摘心・摘葉し葉数を減らした処理を比較した。果実収量は,摘心位置を変え果房上の葉数を増加させると増加したが,摘葉し葉数を減少させても減少しなかった。果房上の葉数の増加では葉面積の増大に伴う積算受光量の増加により総乾物生産量が増え,それが乾物収量および果実収量の増加につながったと考えられた。また,摘葉により葉面積の減少に伴って積算受光量が減り総乾物生産量は減少するものの,果実への乾物分配率が増加し乾物収量および果実収量を維持したと考えられた。これらより果房上の葉数の増加は増収に結びつくこと,摘葉が必ずしも収量に影響しないことが明らかとなった。


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