農業研究本部

無代かき表面播種湛水出芽法による水稲直播技術

佐々木 亮,熊谷 聡,稲野 一郎

道総研農試集報.103,13-25 (2019)

 無代かき表面播種湛水出芽法による水稲直播栽培技術を検討した。播種床は逆転ロータリによる砕土作業が適し,耕耘ピッチを20mm程度とすると,苗立ちを確保するための砕土率40%が得られた。慣行の湛水直播落水出芽法とは異なり,播種後の水管理は播種後に3~5cm深の湛水状態で出芽させ,出芽後は不完全葉期から1葉期までに落水を始め,7日後を目安に再入水する芽干しで苗立ちの確保と浮き苗を抑制する。種子は過酸化石灰剤を粉衣する必要がなく,倒伏抑制と収量確保のため,播種量は375 粒 m-2程度が妥当であった。本技術は施肥窒素利用効率が湛水直播落水出芽法に比べ高く,施肥資材は速効性窒素肥料が利用でき,窒素施肥量は移植水稲の施肥標準量が妥当であった。


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