農業研究本部

三澤知央 他:トマト病害の減農薬防除

トマト主要病害に対する生物農薬等の防除効果と同剤を活用した減化学合成農薬散布体系

三澤知央 野津あゆみ 安岡眞二

道総研農試集報.98,53-64 (2014)

 2005~2010年に生物農薬であるバチルス・ズブチリス水和剤(BS剤)2剤と天然由来物質であるポリオキシン複合体水和剤または同水溶剤(POL剤)のトマト主要病害に対する防除効果をハウス栽培トマトで評価した。インプレッション水和剤(BS剤),エコショット(BS剤)およびPOL剤は灰色かび病に対してそれぞれ15~87(平均63),24~90(平均65),56~74(平均68)の防除価を示した。また,これら3剤は葉かび病に対してそれぞれ18~85(平均53),23~86(平均56),42~72(平均64)の防除価を示した。化学合成農薬とBS剤またはPOL剤の交互散布が減化学合成農薬散布体系として最も防除効果が高かった。同散布体系では灰色かび病およびうどんこ病に対しては化学合成農薬のローテーション散布とほぼ同等からやや劣る効果を示したが,葉かび病に対しては防除効果が劣る事例が認められた。


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