農業研究本部

塩化カリウムと硫酸カリウムの違いが移植テンサイの生育・収量・品質・養分吸収に及ぼす影響

笛木 伸彦,中村 隆一,竹内 晴信,渡部 敢

道総研農試集報.99,73-78 (2015)

 塩化カリウム(塩加)と硫酸カリウム(硫加)の違いが移植テンサイの生育・収量・品質・養分吸収(カリウムと塩素)に及ぼす影響を,道東地域11筆の圃場に塩加区・硫加区を設けて比較検討した。 生育初~中期(6月下旬~7月中旬)においては、草丈は塩加区が硫加区よりも有意に長かった。茎葉のカリウム含有率は,塩加区が硫加区よりも有意に高かった。塩素含有率は茎葉・菜根ともに塩加区で有意に高かった。
収穫期(9月下旬~10月中旬)においては、塩素含有量およびカリウム含有量は,明らかに塩加区が硫加区に勝った。葉重は塩加区で有意に高まったが,根重や根中糖分・糖量・修正糖分・修正糖量に有意差はなかった。以上のことから,テンサイに塩加を施用した場合,草丈やカリウムおよび塩素含有率が高まるが,生育や収量には問題なく使用できることが示された。


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