農業研究本部

硬質秋まき小麦「つるきち」の品種特性に対応した栽培法

大西 志全,小林 聡,中道 浩司,井上 哲也,相馬ちひろ,平井 剛,井村 直樹,荒木 英晴,菅野 千尋,神野 裕信

道総研農試集報.99,79-87 (2015)

  「つるきち」は2012年に北海道優良品種となった中華めん用硬質秋まき小麦である。茎数の推移パターンや草姿が「きたほなみ」等の従来の秋まき小麦品種と異なることから,新たに品種特性に対応した栽培法を検討した。播種期,播種量の試験結果から,「つるきち」では播種期が遅い場合及び播種量が少ない場合に穂数が確保できず低収となることを明らかにし,播種適期(越冬前積算気温で道東では470℃以上を確保できる時期,道央道北では580℃以上を確保できる時期)及び播種適量(255粒/㎡)を設定した。「つるきち」の窒素施肥法については,「キタノカオリ」で推奨されている施肥法に準じるが,子実タンパク質含量が「キタノカオリ」より高くなりやすい特性を持つので,止葉期以降の追肥量に留意する必要がある。穂数が確保しづらく穂数500本/㎡を下回ると「きたほなみ」との子実重の差が大きくなることから,穂数の目標値を500本/㎡以上とした。


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