農業研究本部

水稲新品種「そらゆたか」の育成

佐藤博一,尾﨑洋人,木下雅文,丸田泰史,其田達也,平山裕治,田中一生,菅原彰,手塚光明

道総研農試集報.105,13-25 (2021)

 水稲新品種「そらゆたか」は,北海道立総合研究機構農業研究本部中央農業試験場および道南農業試験場が育成した移植・直播栽培ともに収量性が高く, 障害耐性に優れた飼料用米に向く粳品種である。2005 年に実施した「空育酒170 号( 彗星)」と「北海302 号( ゆきさやか)」の人工交配による雑種後代に由来する。2016 年に北海道農作物優良品種および「需要に応じた米の生産・販売の推進に関する要領」に基づく多収品種に認定された。 「ななつぼし」と比べて,出穂期は “早”と早く,成熟期は“やや早”と同等である。稈長は短く,穂長は同等である。穂数は少なく,一穂籾数は同等で,草型は“偏穂数型”に属する。穂ばらみ期耐冷性が“強”, 葉いもち圃場抵抗性が“強” , 穂いもち圃場抵抗性が“やや強”,耐倒伏性が“やや強”と優り, 粗玄米収量が高い。本品種を普及することにより, 北海道における飼料用米の安定生産および生産者の所得向上に貢献する。


全文(PDF)