農業研究本部

チモシー新品種「センプウ」の育成

藤井弘毅,田中常喜,飯田憲司,足利和紀,佐藤公一,玉置宏之,岩渕慶,安達美江子,竹田芳彦,大塚博志,竹村紘,道場和也,澤田嘉昭,下小路英男

道総研農試集報.105,27-42 (2021)

 チモシー「センプウ」は,2005 年から2017 年に,北海道立総合研究機構北見農業試験場とホクレン農業協同組合連合会との共同研究により育成された。2015 年から2017年に「北見33 号」の系統名で各種の検定試験に供試し,2018 年に北海道の優良品種に登録された。現在,「センプウ」の品種名で種苗法に基づく品種登録を申請中である。本品種は5 栄養系の交配による合成品種法により育成された。最も重要な特性は,早晩性が極早生で,従来の極早生品種「クンプウ」と比べ,収量性,斑点病抵抗性および混播栽培に必要な競合力に優れることである。適応地域は北海道全域である。主として年3 回刈り採草地への導入により,収量性の向上と草地植生の維持・改善を通じて,良質な自給粗飼料の生産性向上に貢献することが期待される。


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