農業研究本部

チモシー新品種「センリョク」の育成

足利和紀,佐藤公一,飯田憲司,藤井弘毅,田中常喜,岩渕慶,竹田芳彦,安達美江子,竹村紘

道総研農試集報.105,43-57 (2021)

 チモシー「センリョク」は,2009 年から2013 年にかけて北海道立総合研究機構北見農業試験場(以下,北見農業試験場)において,また2014 年から2019年にかけて北見農業試験場とホクレン農業協同組合連合会との共同研究を経て育成された。2017 年から2019 年にかけて「北見35 号」の系統名で各種の検定試験に供試し,2020 年に北海道優良品種に認定された。現在,「センリョク」の品種名で種苗法に基づく品種登録を申請中である。本品種は,8 母系14 栄養系を構成栄養系とする母系選抜法で育成された。本品種の最も重要な特性は,同じ早晩性(中生の晩)の品種「キリタップ」と比べ,多収で耐倒伏性と栄養価に優れることである。また,混播適性,越冬性,斑点病抵抗性,多回刈り適性,採種性にも優点を持つ。適応地域は北海道全域である。従来品種より自給粗飼料の安定生産と高品質化,ひいては飼料自給率の向上に大きく貢献できる。


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