農業研究本部

テンサイ新品種「バラトン」の特性

池谷 聡

道総研農試集報.108,43-47 (2024)
 

 テンサイ新品種「バラトン(旧系統名「HT43」)」は,スウェーデンのマリボヒレスヘッグ種子会社(現DLF BEET SEED 種子会社)が育成した二倍体単胚の一代雑種である。対照品種「リボルタ」より,根重が多く,糖量がやや多い。病害抵抗性は,テンサイそう根病抵抗性が“強”,テンサイ黒根病抵抗性が“やや強”で対照品種「リボルタ」並に優れており,テンサイ褐斑病抵抗性は“強”,テンサイ根腐病抵抗性“強”で「リボルタ」よりやや劣るものの,根腐病の生産物廃棄の対象となる発病指数4 以上の割合は「リボルタ」並であり,同病対策として導入できる。以上より,「バラトン」を,褐斑病多発が懸念される圃場以外の「リボルタ」に置き換えて普及させることで,テンサイ生産の安定と農家所得向上に寄与できる。。
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