農業研究本部

傾斜地用草刈り機の作業性能評価

稲野一郎,石井耕太,金子剛

道総研農試集報.109,23-29 (2025)
 

 傾斜地における刈払機による草刈り作業は事故のリスクとともに,作業強度が高い。近年,事故防止や作業者の高齢化の観点から傾斜地に適応できるスイング式草刈り機やラジオコントロール(ラジコン)式草刈り機が導入されている。これらの草刈り機の実用性や導入効果を評価する。法面傾斜角46°,法長0.9m の水田畦畔でスイング式草刈り機を使用したときの作業能率は2.0~2.2h/10a であり,刈払機の1/7 の所要時間であった。46°の傾斜角では,機体が下方に落とされるため,ハンドル挟持部を引き上げながら作業する応分の力と技術が必要となる。法面傾斜角23°,法長2.4m の果樹園外構部でラジコン式草刈り機(刈幅700mm)を使用したときの作業能率は最大2.3h/10a であった。ラジコン式草刈り機は他の草刈り機に比べ,高価ではあるが,習熟期間が2 日間ほどと短く,作業者の安全性が保たれ,疲労度も小さかった。
 


全文(PDF)