可視近赤外分光法によるトマトの非破壊窒素栄養診断法
古林直太,坂口雅己,大橋優二
道総研農試集報.110,65-71 (2026)
トマトは生育期間が長く,栄養成長と生殖成長が並行して進行するため,作物の窒素栄養状態に応じた追肥が重要となる。窒素栄養診断法のひとつとして,葉柄汁液の硝酸濃度を指標とした方法があるが,診断部位の採取や破砕作業,硝酸濃度の測定などの煩雑な分析操作を要する。そこで,より簡便かつ非破壊で測定可能な手法として,可視光・近赤外センサーの活用を検討した。第1 果房直下の主茎硝酸濃度は窒素供給量と相関が高く,トマトの栄養状態を良く反映していた。主茎硝酸濃度は近赤外分光法により中程度の精度で推定可能であったが,定量的にトマトの硝酸濃度を推定するには精度が不十分であると考
えられた。活用にあたっては,主茎硝酸濃度「1500~3200 mg NO3- L-1」を適正基準値として3 段階に区分し,中庸な生育個体5 株以上の測定を行い,推定値の過半数が含まれる区分を診断結果とするとともに,5 日後の再診断を組み合わせることにより,簡便で適切な診断が可能と判断した。
→ 全文(PDF)
