農業研究本部

Enzyme Immunoassay (EIA)を用いた米のアレルゲン性評価法の検討

柳原 哲司

北海道立農試集報.78,69-76 (2000)

 抗原抗体反応を利用した米のアレルゲン性測定法について検討を行った結果,Enzyme Immunoassay (EIA) の基本条件として,抗原濃度50μg/ml,血清希釈濃度10倍,2次抗体希釈10,000倍で良好な結果が得られた。この条件で測定を行うと,10mlの患者血清,20μ1の2次抗体で約2,000点の分析が可能である。また,標準タンパク質による検量線を作成することにより,精度および再現性を高めることができた。抗体結合活性の血清の違いによる差異は比較的小さく,今回用いた患者血清によって,米の一般的なアレルゲン性の違いを評価できると判断した。さらに,米のアレルゲン性について3つの評価値を提案し,主要流通品種を用いた変動解析を行った。その結果,明確な品種間差は認められなかったが,品種内の変動幅は比較的大きく,今後臨床試験と組み合わせた変動要因解析が必要である。


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