農業研究本部

秋まき小麦新品種「ホクシン」の育成について

柳沢 朗、谷藤 健、荒木 和哉、天野 洋一、前野 眞司、田引 正、佐々木 宏、尾関 幸男、牧田 道夫、土屋 俊雄

北海道立農試集報.79,1-12 (2000)

 秋まき小麦「ホクシン」は1980年に北海道立北見農業試験場小麦育種指定試験地で,早生,多収の「北見35号」を母,強桿,良質の「北見42号」(後のチホクコムギ)を父として交配した雑種後代から育成され、1995年2月農林水産省に新品種「小麦農林142号」として登録され,「ホクシン」と命名された。  本品種は「チホクコムギ」に比べて、成熟期は4日程度早いやや早生種。桿長は同程度で、耐倒伏性も同程度に優れる。収量性はほぼ同等か地域によっては優る。雪腐病に強く、うどんこ病、赤かび病に対しても優る。耐穂発芽性も優っており、赤さび病抵抗性は同程度である。製粉性は同程度に優れ、製めん適性は同等かやや優る。栽培地帯は全道一円である。


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