農業研究本部

ジャガイモそうか病の発病に及ぼす有機物施用および耕土処理の影響

鈴木 慶次郎、東田 修司、志賀 弘行

北海道立農試集報.79,37-44 (2000)

 有機物や土壌酸度調整資材の施用、軽石流堆積物客土や天地返しなどの耕土処理がそうか病の発病に及ぼす影響について検討した。ピ-トモス施用は土壌中の交換酸度(y1)を増大させ発病度を低下させたが、バ-ク堆肥の施用はy1を減少させ発病度を高めた。また、培養実験から、牛糞堆肥についてもy1の減少が認められた。軽石流堆積物客土や天地返しなどの耕土処理については、処理によりy1が増大しない場合は、発病軽減効果が見られなかった。しかし、軽石流堆積物についてはpH緩衝力が小さいため、客土時に少量の土壌酸度調整資材を添加することでy1が増大し、発病軽減効果を得ることができた。以上から、有機物施用や耕土処理がそうか病の発病に及ぼす影響は土壌pHよりも交換酸度y1の変化でより良く説明でき、y1の変化をもたらさなかったり、y1を低下させる資材の施用や処理では発病軽減効果が見られず、発病度を高めることが示された。


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