農業研究本部

施設土壌診断のための土壌採取方法

林 哲央、松浦 準、岡村 光隆、坂本 宣崇

北海道立農試集報.80,21-30 (2001)

 施設栽培においてハウス1棟を代表する適正な土壌診断値を得るための土壌採取方法について検討した。作土を採取する際には,施肥や堆肥施用のムラを避けるために出入り口側および窓際を避け中央側を採取すること,暗渠の排水効果ムラおよび溶脱ムラを避けるためにハウスの手前から奥側までを数カ所にわたって採取することが望ましい。各分析項目についての採取による許容誤差をpHで0.2以内,有効態リン酸および交換性塩基で分析値の10%以内にするには,ハウス1棟からの採取点数を5~6カ所とするのが適当であった。施肥前の硝酸態窒素について許容誤差を25mgkg-1以内に診断するには,10カ所程度の採取が必要であった。ただし,前作で通路に施肥をして通路かん水によりベッドに養分供給する追肥法を行っている場合には,電気伝導率と無機態窒素について信頼性の高い診断値を得ることは困難であった。


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