農業研究本部

北海道における乳牛の除籍および病傷事故と,乳量水準および飼養形態との関連

扇 勉、金子 剛、堂腰 顕、草刈 直仁、八田 忠雄

北海道立農試集報.80,39-44 (2001)

 北海道における1,466乳牛群の乳検成績によれば,高泌乳群は平均産次が低く,除籍割合も高かったが,体細胞数は少なく,空胎日数も短かったことから,乳房炎および繁殖障害の牛を積極的に除籍しているものと考えられた。除籍理由は乳房炎,乳器障害および繁殖障害など疾病によるものが多かった。根室・十勝管内における315乳牛群の共済成績によれば,高泌乳群は低泌乳群に比べ,病傷事故危険率が高く,特に乳房炎,第四胃変位,胃腸疾患およびケトーシスの事故率が高かった。また,病傷事故率は繋ぎ飼養では乳房炎,乳頭損傷および卵巣疾患が高く,フリーストール飼養では第四胃変位および乳熱が高く,それぞれ飼養管理との関連が示唆された。


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