農業研究本部

秋まきコムギの赤さび病の被害解析と多発地帯における薬剤防除

池田 幸子

北海道立農試集報.82,89-96 (2002)

 コムギ赤さび病による被害は品種によって差があった。その要因として抵抗性「弱」の品種では,形成される病斑数が多く,そのため病斑周囲のネクロシスおよび枯凋部分も抵抗性「中」の品種より大きくなり,枯れやすいためと考えられた。特に上位2葉の被害面積率(病斑面積率+ネクロシス面積率+枯凋面積率)は減収率と高い相関があった。  本病の多発地帯における品種の抵抗性に応じた薬剤防除体系を明らかにした。抵抗性「弱」の「ホクシン」では本病を薬剤で防除するには,止葉期に1回目を,開花始めに赤かび病との同時防除で2回目を行う。これに対し抵抗性「中」の「ホロシリコムギ」では赤かび病との同時防除の1回ですみ,抵抗性「強」の「チホクコムギ」では本病の防除を行う必要がない。


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