農業研究本部

キャベツのアスコルビン酸含有率に及ぼす栽培条件の影響

坂口 雅己、中村 隆一、日笠 裕治

北海道立農試集報.82,97-102 (2002)

 窒素施肥量や栽植密度,被覆資材の有無などの栽培条件がキャベツのアスコルビン酸含有率に及ぼす影響を検討した。窒素施肥量が多くなるに伴い結球重は増大したが,アスコルビン酸含有率は低下した。結球重とアスコルビン酸含有率の間には負の相関が認められた。栽植密度が疎になるほど結球重の増大に伴うアスコルビン酸含有率の低下程度は小さくなり,同一結球重におけるアスコルビン酸含有率が高くなった。早春まきトンネルおよび春まき作型において被覆資材を使用した区は使用しない区に比べ結球始期の全重が増大した。また,被覆資材使用区では結球重の増大に伴うアスコルビン酸含有率の低下程度は小さく,同一結球重におけるアスコルビン酸含有率が高かった。トンネルの使用期間が長くなると同一結球重における糖含有率が低下した。  以上の結果,キャベツのアスコルビン酸含有率は栽植密度を疎にすることや被覆資材を使用し初期生育を促進させることにより高めることができた。


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