春まきコムギ新品種「はるひので」の育成

田引　正、柳沢　朗、天野　洋一、中道　浩司、前野　眞司、土屋　俊雄、谷藤　健、吉村　康弘、荒木　和哉、三上　浩輝、佐々木　宏、牧田　道夫

北海道立農試集報．82，21-30 (2002)

　春まきコムギ「はるひので」は1986年に北海道立北見農業試験場小麦育種指定試験地で，パン用良質，耐穂発芽性の優れる「北系春575」（後の「春のあけぼの」）を母，多収の「北系春533」を父として交配した雑種後代から育成された。2001年2月に農林水産省に新品種「春播小麦農林150号」として登録され，「はるひので」と命名された。 　本品種は，成熟期が「ハルユタカ」とほぼ同程度の中生である。稈長は「ハルユタカ」と同程度で，耐倒伏性も同程度である。子実重は「ハルユタカ」より多収で，赤さび病，うどんこ病抵抗性は「ハルユタカ」より劣るが，赤かび病抵抗性は「ハルユタカ」より優れ，成熟期における耐穂発芽性はやや優れる。製粉性はやや劣るものの，蛋白含量は同程度で，生地特性，製パン適性に優れる。栽培適地は北海道春まきコムギ栽培地帯一円である。

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