農業研究本部

赤肉ネットメロン新品種「空知交11号」の育成

平井 剛、中住 晴彦、八木 亮治、中野 雅章、志賀 義彦、宮浦 邦晃、土肥 紘

北海道立農試集報.84,37-46 (2003)

 赤肉ネットメロン「空知交11号」は,花・野菜技術センターにおいて育成された単交配一代雑種品種である。種子親系統は花・野菜技術センター育成の「HM-G52」,花粉親系統は花・野菜技術センターと株式会社大学農園が共同で育成した「DHM-R1」である。2002年に北海道優良品種に認定された。主力品種である「ルピアレッド」と比べ,夏場の高温期に収穫する作型において糖度が高く,果形の揃いも良好であることから良果率が高い。また,果実肥大が良好で一果重が大きいことから,多収である。また,食味は赤肉臭が弱くさわやかであるが,果肉色はやや淡い。日持ち性に優れ,収穫後4日頃から適食期となり,適食の状態が1週間程度持続する。反面,収穫直後の果肉は硬いため,出荷,流通にあたって適食期を表示する等の配慮が必要である。うどんこ病抵抗性は,抵抗性とされる「ルピアレッド」に比べてもさらに強い。つる割病(レース0,レース2)に抵抗性を有する。


全文(PDF)