農業研究本部

トマト新規導入産地の振興方策

白井 康裕、大久保進一、兼平 修、川岸 康司、岸田 幸也、北畠 国昭、添島 均、田中 里枝

北海道立農試集報.86,27-37 (2004)

 道央水田地帯でトマトを新規に導入した産地の滝川をモデルに発展に必要な条件を整理した。滝川は,先発的なトマト産地と比較して単位面積当たりの収益性が低かった。トマトの栽培管理状況と販売成果の関係をみたところ,基本技術の励行が,販売収入に大きく影響していた。そのため,トマト産地の発展には,第一に,栽培技術の向上と平準化が求められる。これには,先発的な産地で取り組まれているアドバイザー制度の導入が有効になるものと判断された。第二に,生産量の拡大が求められる。なお,ハウス増棟の意思決定には,経済収支のバランスを考慮した投資限界額に基づくことが望ましい。第三に,マーケティング活動が重要となる。大都市の市場ほどトマトが高値で取引されており,これらの市場への新規参入には,食味等の品質向上に向けた取り組みが不可欠である。


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