ダイズ新品種「ユキシズカ」の育成
山崎 敬之、湯本 節三、田中 義則、黒崎 英樹、鈴木 千賀、松川 勲、土屋 武彦、白井 和栄、冨田 謙一、角田 征仁
北海道立農試集報.87,21-32 (2004)
「ユキシズカ」は,北海道立十勝農業試験場(以下,十勝農試)において,早生,安定多収,ダイズシストセンチュウ(以下,センチュウ)およびダイズわい化病(以下,わい化病)抵抗性で機械収穫向きの納豆向き小粒品種の育成を目標とし,1990年にわい化病抵抗性および難裂莢性の白目中粒品種である「吉林15号」を母,センチュウ抵抗性の白目小粒品種である「スズヒメ」を父として人工交配を行い,F6までは集団育種法,F7以降は系統育種法により育成した。2002年に北海道の奨励品種に採用されるとともに,農林水産省の新品種に認定され,「ユキシズカ」として命名登録された。 「ユキシズカ」はセンチュウ・レース3抵抗性を有し,粒大は「スズマル」よりやや小さく,納豆加工適性は同品種並に優れている。収量は「スズマル」並からやや多収である。熟期は「スズマル」より早い中生の早で,耐倒伏性や生育期耐冷性は「スズマル」より優れている。 「ユキシズカ」は「スズマル」の一部と「スズヒメ」に置き換えて普及することで,北海道における納豆用大豆の安定供給と生産拡大に寄与することが期待される。
→ 全文(PDF)