農業研究本部

アズキ新品種「きたほたる」の育成

藤田正平、島田尚典、青山聡、村田吉平、千葉一美、松川勲

北海道立農試集報.88,13-24 (2005)

 「きたほたる」は,良質,多収,耐冷,アズキ落葉病,茎疫病,萎凋病抵抗性の白アズキ品種の育成を目標とし,1993年に北海道立十勝農業試験場(農林水産省小豆育種指定試験地)において,草型の優れる「93142(F6)」を母,アズキ落葉病,茎疫病,萎凋病抵抗性の良質系統「十系590号」を父として人工交配した雑種後代から育成された。2004年に北海道の優良品種に採用されるとともに,農林水産省の新品種として認定され,「きたほたる」と命名登録された。「きたほたる」は,「ホッカイシロショウズ」より餡色が白く明るい色調で,加工適性が優る。また成熟期が同品種並みからやや早く,アズキ落葉病,茎疫病,萎凋病に抵抗性を持つ。「きたほたる」を「ホッカイシロショウズ」に置き換え,100ha程度の白小豆栽培面積を確保することにより,良質の白アズキを本州産より低価格で安定的に供給することが可能となり,新たなユ-ザ-を獲得して,安定した需要が確保できると考えられる。


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