農業研究本部

インゲンマメ新品種「福うずら」の育成

江部成彦、佐藤仁、村田吉平、千葉一美、品田裕二、飯田修三

北海道立農試集報.88,25-35 (2005)

 「福うずら」は,矮性で多収,大粒良質の中長鶉類品種の育成を目標とし,1990年に北海道立十勝農業試験場において矮性の中長鶉類育成系統の「十系D5号」を母に,金時類育成系統の「十系B158号」を父として人工交配し,以後選抜,固定を図ったものである。1996年から「十育D10号」の系統名で各種試験を実施し,1999年に北海道の優良品種に認定された。  本品種は,無限伸育半蔓性の「福粒中長」に対し,有限矮性で,耐倒伏性に優れるため,管理・収穫作業がしやすい。「福粒中長」より多収で,成熟期は4日程度早い。百粒重は「福粒中長」に比べやや重く,食味が良く,加工適性は「福粒中長」に優る。 栽培適地は,北海道のインゲンマメ作付け地帯で,「福粒中長」に置き換えて普及することにより,中長鶉類の品質向上と安定生産に大きく寄与できる。


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