農業研究本部

ツメクサガの発育と産卵

兼平修、奥山七郎

北海道立農試集報.90,21-28 (2006)

 豆類の害虫ツメクサガについて卵,幼虫,蛹の温度別発育日数と成虫の日別産卵数を調査した。幼虫については大豆の葉で飼育し,脱皮時に頭殻の大きさを調査した。15-30℃の範囲で温度が高くなると発育日数は短くなり,発育零点と有効積算温はそれぞれ、卵で7.7℃と64.7日度,幼虫で10.4℃と271.9日度,蛹で10.2℃と168.7日度であった。各齢頭幅の頻度分布は重り合わず,頭幅により野外などの幼虫の齢期推定が可能であった。雌成虫の平均生存期間は8日間,産卵前期間は2日間,産卵数687.4個であった。  卵~羽化の全生育期間の発育零点は10.1℃,有効積算温度505.5日度であり、有効積算温度を年間有効温量1,128日度と比較すると2回の発生が可能であり,実際の発生回数と一致した。


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