天北地方における主要イネ科3草種の採草利用時の生育・飼料特性
岡元英樹、古館明洋
北海道立農試集報.91,31-40 (2007)
ペレニアルライグラス(PR)とオーチャードグラス(OG)を年間3回刈り,チモシー(TY)を年間2回刈りの条件で,その生育特性を経時的に調査した。PRの年間乾物収量はha当たり10~11tと他の2草種より高く,また全ての番草でOGの収量を上回った。一方,TYは1番草でha当たり6~7tの高収が得られた。主な収量の増加要因は,1番草ではTYやOGが有効分げつの一茎重の増大であるのに対し,PRは分げつ数の増加も関与している特徴が示された。一般にPRは他草種よりも飼料品質が良好で,水溶性炭水化物やフラクタン含量が高く,サイレージ発酵にも適していた。以上のことより,PRは放牧に限らず採草用としても利用価値の高い草種であり, OG,TYと組み合わせて利用すれば,天北地方における効率的な自給粗飼料の生産に貢献できると思われる。
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