農業研究本部

べにばないんげん新品種「白花っ娘」の育成

南忠、佐藤仁

北海道立農試集報.93,25-34 (2009)

 べにばないんげんの新品種「白花っ娘」は,早生,極大粒,高品質化を育種目標とし,平成3年に農業生物資源研究所放射線育種場において,中生,中粒,良質の白花豆品種「大白花」種子に60Coを線源としてγ線を200Gy照射し粒大変異を誘導後,北海道立中央農業試験場において選抜,固定を図った品種である。1998年以降「中育M52号」の系統名で各種の試験を重ねた結果2004年3月に北海道の優良品種に採用された。「白花っ娘」は「大白花」と同様に主茎長が3mを越すつる性種で,花色と種皮色は白である。粒形は腎臓形である。「大白花」に比べ成熟期はやや遅く,普及対象地域である網走管内における収量性はやや劣るが,百粒重が1割以上重く粒大が大きいため大粒規格の収量が多い。煮豆や甘納豆用として「大白花」と同程度の加工適性を有する。栽培適地は,網走管内のべにばないんげん作付地域で,「大白花」の大半に置き換えて普及することが期待される。


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