農業研究本部

中玉トマト「カンパリ」の房どり収穫が収量性,果実品質および作業省力性に及ぼす影響

大久保進一、長尾明宣

北海道立農試集報.93,61-66 (2009)

 中玉トマトの生育,収量,果実品質,収穫調製時間について,大玉トマト,ミニトマトと比較するとともに,個どり収穫法(着色果を個別に収穫する通常の収穫)と房どり収穫法の違いについて検討した。個どり収穫を行った中玉トマト「カンパリ」は,大玉トマト「桃太郎8」およびミニトマト「キャロル7」に比べて良果収量は多かった。内部成分は調査したすべての成分でミニトマトより低かった。大玉トマトと比較するとグルタミン酸含量は低かったものの,アスコルビン酸含量は高かった。収穫時間はミニトマトの半分以下であったが、大玉トマトに比べると2倍以上かかった。中玉トマトの房どり収穫では,個どり収穫に比較して収穫段数がやや少なく,収穫果に未着色果が含まれるため良果収量は2割程度減収した。しかし,裂果の発生に差異はなく,内部成分の低下もみられなかった。収穫時間は個どり収穫の3割程度で済み,調製時間を加えても省力的であった。


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