農業研究本部

アズキ新品種「きたろまん」の育成

青山聡、島田尚典、長谷川尚輝、村田吉平、藤田正平、松川勲

北海道立農試集報.94,1-16 (2009)

 「きたろまん」は,1995年に北海道立十勝農業試験場(農林水産省小豆育種指定試験地)で早生,多収,良質,アズキ落葉病・茎疫病・萎凋病抵抗性の「十育137号」を母,中生,多収,落葉病・茎疫病・萎凋病抵抗性の「十育138号」を父として人工交配を行ったものである。2001年に「十育147号」の系統名を付して,各種試験を行い,2005年に北海道の優良品種に認定されるとともに,農林水産省の新品種として認定され,「きたろまん」と命名登録された。
  本品種は,落葉病・茎疫病レース1・萎凋病に対して抵抗性であり,成熟期は「エリモショウズ」や「きたのおとめ」より早い。開花期頃の低温に対する抵抗性はやや強で「エリモショウズ」より強く,耐倒伏性は同品種より強い。道東の「サホロショウズ」,「きたのおとめ」及び「エリモショウズ」それぞれの一部に置き換えることにより,冷害年における減収程度を軽減することが可能である。


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