農業研究本部

鰊白子及びすけそ粕の肥効に関する試験

黒川 春一

北海道立農試集報.1,43-48 (1957)

 鰊白子の無処理乾燥品、硫安処理乾燥品及びすけそ粕と鰊粕の肥効を比較し、あわせて標準肥料(硫安)との肥効を検し次のような結果を得た。 

1.生育において、各有機質肥料区は標準肥料より初期生育はおくれたが、出穂始頃には標準区とほぼ同様な生育を示し、後期において再び遅延する生育経過を示した。  これは茎数でも同様の状況を示した。しかし、各有機質肥料においては判然とした差異は認められなかった。
2.収量においては植木鉢・圃場両試験ともやや異った結果を待たが、各有機質肥料においては標準肥料よりやや劣る傾向を示し、各有機質肥料間には判然とした差異は認められなかった。
3.窒素吸収率においては、硫安の吸収率は高いが、各有機質肥料間では、鰊白子硫安処理が僅か高い程度で判然とした差異は認められなかった。
4.以上の結果より各有機質肥料は標準肥料より僅か劣る程度であり、各有機質肥料間には明確な差異が認められず、鰊白子処理及びすけそ粕も飼養した鰊粕との間に窒素質肥料としての肥効の差異はみとめられず、ほぼ同一と考えられる。

  なお、鰊白子無処理、硫安処理間においても明確な差異は認められなかった。


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